【基礎知識】クルマのタイヤについてどのくらい知ってますか?

こんにちは。広報担当 ふじめろです!
車を構成する部品の中でも、唯一地面と接しているのが「タイヤ」です。
安全運転や燃費、乗り心地にまで影響を与える重要な存在ですが、わかってるようでよく知らない存在かもしれません。
今回は、初心者でもわかるように車のタイヤの基礎知識をご紹介します。
タイヤの役割
タイヤの主な役割は次の3つです。

●路面との摩擦を確保する
雨の日の滑りやすい道でもしっかり走れるようにする!
タイヤには「トレッドパターン」と呼ばれる溝があり、それが水を逃して地面としっかり接触できるようにしています。これは、滑りやすい床で滑りにくい靴を履くようなもの。グリップが強ければ急ブレーキや曲がる時も安全です。
●衝撃を吸収する
デコボコ道を通っても車内がガタガタにならない!
タイヤはゴムと空気でできており、道路の凹凸からの衝撃を和らげてくれます。ちょうど、スポーツシューズのクッションのような働きですね。タイヤが柔らかいと乗っている人の快適さがまったく違います。
●車の荷重を支える
何百キロもある荷物を乗せてもタイヤがつぶれない!
タイヤには空気がパンパンに入っていて、その空気の圧力が車の重さを支えています。イメージとしては、風船が体重を支えるような感じです。だから空気圧が足りないと、タイヤが変形して燃費が悪くなったり、危険な状態になることも。
このように、タイヤは「走る・曲がる・止まる」を支えるだけでなく、快適さや安全性にも深く関わっているんです。もし靴がすり減っていたら歩きづらいように、タイヤもすり減ると車の性能がガクッと落ちます。
タイヤの種類と選び方

夏タイヤ(ノーマルタイヤ)
通気性がよくて軽いスニーカーのような存在!
春〜秋のシーズンで使う一般的なタイヤ。
ゴムが比較的硬めに設計されており、高温下でもグリップ性能が安定します。
トレッドパターン(溝)の排水設計が優れているため、雨天時のハイドロプレーニング現象を防止し安全に運転できます。運転しやすく、燃費もよいので、都市部や高速道路中心の使用に向いています。
冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)
雪道でも滑らないブーツ!
低温時でも硬化しにくい「柔軟性の高いゴム配合」が使用されているため、雪道や凍結路面で滑りにくいです。
サイプ(細かな切れ込み)がたくさん入っていて、氷を噛むようなグリップ力を発揮します。
雪の多い地域、峠道やスキー場などへの走行には必須です。
摩耗や経年劣化により性能が落ちるため、プラットフォーム(溝の摩耗限界)を目安に交換時期を見極めることが重要です。
オールシーズンタイヤ
晴れの日も雨の日も履けるウォーキングシューズ!
夏も冬もある程度対応する汎用タイプ。ただし、豪雪地域ではスタッドレスタイヤの方が安心。夏も冬も使えるように作られたタイヤです。
雪道ではスタッドレスタイヤほどの安心感はないけれど、少しの雪なら対応できます。
年中交換しなくていいので、タイヤ交換が面倒という人に人気です。
「簡易冬対応型タイヤ」として位置付けられ、JATMA(日本自動車タイヤ協会)やメーカーの推奨条件を事前に確認することが重要です。
夏タイヤひとつしても、さまざまな種類があります。
タイヤの選定は「価格」だけでなく、「性能」や「用途」によっても変わってきます。
車の走行環境(通勤距離や坂道があるか?など)や ライフスタイルを客観的に分析した上で、信頼できる販売店や整備士に相談して決めることをおススメします。
●走行環境の分析:通勤・レジャー・高速道路利用頻度・山間部走行の有無など。
●車種との相性:重量・駆動方式(FF/FR/4WD)・ホイールサイズなど。
●性能重視か経済性重視か:快適性・静粛性・耐久性・価格帯のバランスを見極める。
オールシーズンタイヤは、少し値段が高いうえに、普段から良く乗る方は摩耗が早いと感じます。雪があまり降らない地域は、ノーマルタイヤ+チェーンで冬を乗り切るほうがコスパがいいかもしれません。
タイヤのサイズの見方
タイヤの側面には「195/65R15」のような表記があります。これには以下の意味があります:
195:タイヤの幅(ミリ)
65:扁平率(タイヤの高さ ÷ 幅 ×100)
R:ラジアル構造(一般的なタイプ)
15:ホイールの直径(インチ)
サイズが合わないタイヤは装着できないばかりか、走行性能や安全性にも影響します。タイヤ交換時には必ず車種に合ったサイズを選びましょう。
タイヤのメンテナンス
タイヤは、定期的に状態をチェックしてあげてください!

① 空気がちゃんと入ってるかチェック(空気圧点検)
自転車でもタイヤに空気が入ってないと漕ぎにくい!
タイヤの中には空気が入っていて、それが車を支える力になります。
空気が少ないと、タイヤがペタンコになって余計にすり減ったり、走りづらくなったりします。
適宜 空気の量をチェックしましょう!(ガソリンスタンで等で無料のところも多いです)
② タイヤの溝の深さを確認(すり減りチェック)
靴底がツルツルだと危ないですよ!
溝が浅いと雨水を排水出来なくて、滑りやすくなったり、止まりにくくなって危険です。
タイヤの溝が1.6mmより浅くなると法律で交換が必要です。
お金がかかる前に、ガソリンを入れる際に、時々チェックしておくと安心です。

③ タイヤの減り方が変じゃないか見る(片減りチェック)
靴のかかとだけ削れてるみたいな状態になってないか?
もし左右の減り方が違う、片側だけ削れてるなどがあれば、車のタイヤの向き(アライメント)に問題があるかもしれません。このままだと安全に走れなかったり、他のタイヤも傷みます。
車検や点検時にプロに見てもらい、問題ないすり減りであれば、タイヤローテーションといって前後を入れ替えてもらったりして長持ちできるようにしてもらいましょう。
④ タイヤの寿命を気にする(年数の確認)
タイヤにも賞味期限みたいなものがあります!
タイヤはゴム製なので、使ってなくても古くなると硬くなって性能が落ちていきます。
通常、使い始めてから3〜5年が目安です。製造年月はタイヤの側面に「20●●年製」みたいに刻印されていますので見てみましょう。走る距離が多い人は、もっと早く交換が必要になることも。
タイヤのメンテナンスは「ほんの少し気をつけるだけ」で事故や無駄な出費を防げます。 靴と同じで、「履いてるだけで傷んでいくもの」だから、こまめに見てあげましょう!
まとめ
タイヤは地味に見えて、車のパフォーマンスや安全を支える非常に重要なパーツです。
2024年度のJAFロードサービス出動理由TOP3は、
1位…バッテリー上がり
2位…タイヤのパンク
3位…落輪・落込
となっています。これら3つが全体の約67%を占めており、ライトの消し忘れ等のドライバーのうっかりミス、メンテナンス不足などの人的要因が多い傾向になっています。
タイヤトラブルにおいては、一般道路では全体の約20%なのに対し、高速道路は約40%と2倍以上になっています。
高速道路での高速連続走行はタイヤへの負荷が大きく、空気圧が低下しているとタイヤのたわみ(変形)が大きくなります。連続したタイヤのたわみによりタイヤが発熱し、最後にはバーストしてしまいます(※スタンディングウェーブ現象)。バーストにいたらなくてもセパレーション(はく離)を起こすなどの危険があります。

このようなトラブルは、日ごろのタイヤの点検などで防げる事故といえます。
タイヤに関する知識をもって、安心安全なカーライフを送ってくださいね!